『散歩する惑星』を観た。

 彼女さんと二人でツタヤに行き、何を借りようかと悩んでいるとき、なんとなくコメディ、それもハートフルなやつじゃなくてあほな感じのコメディを観たくなったので、一度観ているが彼女さんに勧めてみようということで『バス男』『隣のリッチマン』を探したがレンタル中。そんなときにふと目に留まったのがこれ。

散歩する惑星

散歩する惑星 愛蔵版 [DVD]

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 手に取った瞬間「SFか?」と思ったがそうではないようですが、そうともいえそう。まずこのタイトルがコメディの棚で異彩を放っていたので目に付いた。コメディのタイトルで「散歩する惑星」って。そしてパッケージを見ればシュルレアリスムな雰囲気満点。憂鬱さと理不尽を感じさせる。パッケージでこれほど強烈に面白さを予感させるものに出会ったのは久しぶりである。まあ多々裏切られてきましたが。
 しかし今回は当たり。これは面白い。まず出だしからして、日焼けマシーンでUV浴中の社長とそこにやってきた重役?が壮絶な大リストラ話、といきなり気まずい雰囲気を作り出し笑わせてくれた。そしてリストラが敢行され、壮大な渋滞と理不尽な出来事に見舞われ失意に暮れる人々の群像劇が始まる。
 笑える場面が多々あるわけですが、特にキタのが、終盤の長尺。それまでの幽霊がらみネタが(ってか脈絡なく平然と幽霊がたくさん出てきてびびるわけですが……)大いに花開く。多分普通の映画なら一番いい場面。笑える反面、ものすごく寓意に満ちていた。基本的にカメラのピントから外れたところにいる人に注意してみると笑える。

 色々抜けてて順番も違うっぽいが、流れのようなもの。
・経済不況→大量リストラ→大渋滞→スヴェンソン氏?を探していた男死亡→一人の会社員がノイローゼ→女性が電話で釈明→家具屋が自分の店に放火→かみさんに灰だらけの顔を押し付け泣く→息子(長男、タクシードライバー)入院中の病院で「昔は詩を書いていたのに」を連呼→火事現場で保険調査→背後で妙なデモ行進(前の人を鞭で叩いて行進)→次男(兄からタクシーを継承)と元軍のお偉いさん100歳誕生日祝いに向う軍人の会話→誕生会会場→捨てられた男とごみを拾う男の会話→捨てた女と今の恋人のSEX→再び病院で「詩を…」連呼→展覧会で十字架産業→電車に指を挟まれた男→借金していた男の幽霊→喫茶店での会話→首吊り男と帰りのバス→切断マジックを失敗したマジシャン→病院(外科)→医者と看護婦の修羅場?→役所の偉い人?っぽい人たちの政策会議→いけにえの儀式→十字架をすててエンディング