ここらで少し『ラカン』をまとめる。

(出)筑摩書房ちくま学芸文庫
(著)フィリップ・ヒル, (訳)新宮 一成, 村田 智子

 9月辺りに町田の有隣堂で購入。定価の1,050円。10/13に読了??
 一応通読したが……。

9/27

ソクラテスフロイトの流れを汲むらしい。無知の知は大事な要素。
フロイトによる「自我」は無意識あるいは「エス」の外皮のような物で、精神と現実との橋渡しをする。主に無意識からはみ出す欲望による葛藤や矛盾を受けて精神に対して欺瞞を働く。自我による偽の判断を、ラカンは誤認、または無視と呼んだ。
・主体としての人間とそれを代表象するシニフィアンとしての言葉。
シニフィアンは主体を別のシニフィアンに対して代表象する。
シニフィアンシニフィアンという基礎の上に主体が立っているイメージ。これにより、シニフィアンの基礎を通じてのみ人はコミュニティを確立できる。逆に、言葉の意味は流動的であるため、シニフィアンによって意思の疎通が妨げられる事もある。つまり、言語活動によって結び付けられ、かつ分断されている。
・無意識の4つの形成物。症状、日常生活での錯誤、機知、夢。

9/29

 昨晩、自我の誤認とシニフィアンによる分断を実感する。
 なぜ僕が彼女にあんな態度を取るのか、説明は一瞬でできるが、それを認めない自我は別の理由を大量にでっち上げる。そして都合の良い言葉が次々と頭に浮かび、それを行動に移そうとするとそれを更に否定する自分が現れる。堂々巡りのすえ行動が停止する。何も言えなくなる。
 結局ただの我侭なのだ。僕は本当は彼女のことを好きではないのかもしれない。それを無視するための言い訳なのかも。ただ、無意識の欲求は認識し得ないということだから、本当の理由は別にあるのかもしれない。

10/01

・苦痛と享楽、意識と無意識。
・欲求、要求、欲望。
・幻想と転移、愛における同一化。
対象aもしくは小文字の他者
…欲望の原因かつ対象になりうる。欲求と要求の向けられる『母』によって原因となる?またそれにより他者へ欲望の中に『母』を求める?他者のイマージュに関連する。シニフィアンの雰囲気等。
大文字の他者
…他者のシニフィアン。主体が他者の言説によって主体のイマージュを得る?他者の欲望を欲望することに関連。
→対象……主体の求めうる「何か」。小文字の他者によってもたらされた欠如(失われた「何か」)これにより「主体性」が発現する?

主体はその不在を心許ながり、他の誰かが持っているんだ、それは他の人たちの側にあるんだと想像する。「君がいなくて淋しかったよ」などと言われてうれしくなるのはそういうわけだ。それは、自分が(対象として)失われていることがその他者の幻想や欲望に関係している、ということを告げているのだから。

ラカン」フィリップ・ヒル -p109

 …追記10/4:他者の欲望を欲望するということ