横山大観記念館

 彼女さんが来週から実習を行うということでついて行くことに。
 9時くらいに起床し電車で向う。天気は曇り。成城学園前までゆるゆると席に座りながら各停で向うも、途中で隣に座った一家?のぽっちゃり系よくしゃべる女が強欲でありうるさいのと、ちょうで千代田線直通がくるのとで乗り換える。12時あたりに湯島到着。若干肌寒いが空は快晴。湯島と上野広小路の間の商店街で昼食。朝なにも食べてないので麻婆豆腐定食がことさらおいしかった。765円也。
 腹もふくれたところで大観記念館へむかう。不忍通を湯島の方から根津の方へ向うと、オフィスビルやら結婚式場やらのコンクリやタイルの壁が続くところへ一転、木の塀が現れ、それが目的地。あまり仰々しくない門から入ると落ち着いた和風の前庭があり、もうひとつ門をくぐり脇にある小屋で料金500円を払う。玄関には下足箱があり、やはり土足禁らしい。ただ荷物を入れるロッカーはなかった。まあそれほど広くもないと思うから良いが。
 玄関から上がると順路は左手から。いきなり便所に突き当たるのはご愛嬌なのだろうか。中庭を囲むように廊下が走り、外側には南に客間、西に第二客間、第二客間の奥には寝室、北には書生部屋が配されていた。
 まずは客間。「鉦鼓堂」と冠されている。「大観のことば」―大観記念館編―によれば、五浦時代の住居?の崖下の洞穴を水戸烈公が「鉦鼓堂」と名称したのを伝え聞き、それを印鑑に用いた、とある。これをそのまま客間にも用いていたと思われる。実に庭の眺めの良い部屋で大変落ち着く。座して茶でもといきたい感じ。作法はとんと不明瞭ですが。庭には細長く東西へ伸びる池と灯篭、そして、……え〜っと、なんだっけ?なにやら細かく四角い彫り模様のある四角い石のオブジェクト。季節が中途半端でじゃっかんホースが見えたりした為ちょっとばかり興がそがれましたが、それでも十分眺める価値のある庭かと。続いて第二客間。晩年は足を悪くし?大観の画室になっていたよう。制作や日常をかいつまんだパネルがあったりした。ここから庭を眺めたり、またそのまま左に転じれば中庭があったりで、かなり良い部屋だ。次に奥の寝室に行こうかなと思ったら老人の団体がいたので先に二階へ。窓から外を眺めると不忍池がよい感じに配されていた。画室ということで作品や習作なんかも3点ほどあったが、老人団体があがってきた為あまり鑑賞せず。下へ。その寝室を見てさて後は売店というところで彼女さんがお世話になる学芸員の方に挨拶をするということで館内でぶらぶら待つことに。売店で「大観のことば」(300円)を購入し、主に庭を眺めていましたが。
 なんだか、まあ東京の一等地にある御自らが設計に携わったこの大観の旧家と較べるのもあれですが、なんだかばあちゃん家にいるみたいな落ち着きを感じましたよ。まあ実際来館者も学芸員もおじいちゃんおばあちゃんでしたしね。
 そんなこんなで時間をつぶしてましたが、ずいぶん挨拶に時間がかかるなと思っていたメールがきました。
「ごめん外で待ってる」
……うむ。