電車が駅を出発するとすぐに、隣の車両から女子高校生の一団がやいやいとやってきて僕の正面や右側の座席に腰をおろし、それでも席は足りず、幾人かはつり革につかまり座席の前に立っていた。テニス部か何かだろうか、みな一様にラケットを入れたケースを抱えている。クーラーが効きひんやりしていた車両は一気に甘酸っぱい汗の臭いと白いシャツに透ける青いブラジャーの筋に満たされた。
僕の手にはバタイユの小説があり、ページは少女が退屈したみんなの前で牛の睾丸の上へ座りたいという欲望を抱いている場面だった。
僕は居心地悪く、立ち上がろうと思う前に、すでに勃っていた。