『ポップ・アート』読了

・ポップ・アート

ポップ・アート (La Verve)

ポップ・アート (La Verve)

  • 作者: ルーシー・R.リパード,Lucy R. Lippard,関根秀一,吉岡昌紀,堀邦維,越智博美
  • 出版社/メーカー: 洋販出版
  • 発売日: 1993/04
  • メディア: 単行本
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いつだったか高原書店で購入。1,000円。11/1読始〜11/16読了。
 一度読んだだけではどうにもならんだろう。一応ポップ・アートの流れみたいなものがつかめた。
 原書が1966年に書かれたものらしいのでその当時の解釈と細かい流れが見える。
目次

はじめに:ルーシー・リパード
序章:ルーシー・リパード
第1章 イギリスのポップ・アート:ローレンス・アロウェイ
第2章 ニューヨーク・ポップルーシー・リパード
第3章 カリフォルニア・ポップ:ナンシー・マーマー
第4章 ポップ・イコン:ニコラス・カラス
第5章 ヨーロッパとカナダのポップ・アート:ルーシー・リパード
訳者あとがき
原注
図版の所蔵場所
用語解説
索引

 序章で源流と大まかな流れ。ジャスパー・ジョーンズデュシャン、その他、漫画を取り入れた技法や商標を用いた手法など。
 第1章でまず先に発生したイギリスのポップ・アートが語られる。用法は異なるらしいが「ポップ・アート」という言葉を作った人物ローレンス・アロウェイが語る。発祥から第2期、第3期へいたる経緯、主要人物、作品など。リチャード・ハミルトンやピーター・ブレイク、リチャード・スミス、キタイ、ホックニーアレン・ジョーンズ等々。
 2章ではニューヨーク。ウォーホル、リクテンスタイン、ウェッセルマン、ローゼンクイスト、オルデンバーグの5人についてとその周辺について語られる。
続いてカリフォルニア。どうやらビートの流れからくる影響があるらしいことが書かれる。

西海岸のポップ・アートの気質が持つ大きな意義のひとつは、禁欲的、機械的で高度に磨かれた形式主義の発達、つまり、ポップなものから冷笑的な距離のとり方と商業的輝きとを学びはしたが、抽象的図像学を学ばなかったと思われるような様式が、発達したのを許した、そのやり方にある。

p-148 (Phil Leider, 'The Cool School', Artforum, Summer, 1964)

 次に4章、イコン。ポップ・アートに対して図像的な解釈を試みている。

つまりポップ・アートは控え目なシュルレアリスムを発見したのである。

 最後にヨーロッパ・カナダにおけるポップ・アートについて述べている。どうやら当時は大きなムーブメントとして花開くところまではいっていないよう。ポップ・アート的な幾人かの重要な名前が挙げられている。

 事あるごとに再読するように。まあ次はウェッセルマンの本か、ウォーホルのカタログ解説あたりをじっくり読むと面白いかも。